マンションの外壁塗装を検討しているものの、「一体いくらかかるの?」「どんな塗料を選べばいいの?」とお悩みではないでしょうか。数百万円規模になることが多いマンションの外壁塗装工事では、費用の内訳や塗料の種類についてきちんと理解しておくことが、後悔しない選択につながります。
実際に多くの管理組合やマンションオーナー様が、情報不足や相場の不明瞭さから「高額な工事を依頼してしまった」「もっと長持ちする塗料を選べばよかった」といった後悔を抱えるケースも少なくありません。
そこで本記事では、マンションの外壁塗装にかかる費用相場と、使用される塗料の種類について詳しく解説します。選択肢を比較し、自信を持って判断できるようになることを目指します。
※マンションの外壁塗装の費用相場(平米単価)について詳しく知りたい方は『マンションの外壁塗装の費用相場と注意点5選!伊勢市の大規模修繕店が徹底解説』をご覧ください。
マンションの外壁塗装にかかる費用の目安とは?
マンションの外壁塗装は戸建住宅に比べて規模が大きくなるため、その分費用も高額になります。しかし、具体的にどのような項目で費用が構成されているのか、またどれくらいの金額がかかるのかを把握している管理者は意外と少ないものです。
この章では、マンション外壁塗装における費用の算出方法や、戸数別の相場、見積もりの内訳について詳しくご紹介します。これを理解することで、適正な見積もりかどうかを判断する基準ができ、施工業者とのトラブルを防ぐ手助けにもなります。
マンション外壁塗装の費用はどう決まる?
マンションの外壁塗装費用は、主に「外壁の面積」「使用する塗料の種類」「足場設置などの付帯作業費」の3つを軸に決まります。
まず、最も基本的な要素は外壁の「施工面積」です。塗装は一般的に「1平方メートルあたりいくら」という単価で計算されるため、建物全体の塗装面積が広くなるほど、当然費用も高くなります。高層マンションでは足場の設置が大規模になるため、足場費用が全体の20〜30%を占めるケースもあります。
次に重要なのが「塗料の種類」です。シリコン塗料、フッ素塗料、無機塗料など、グレードによって価格も耐用年数も大きく異なります。たとえばシリコン塗料はコストと性能のバランスがよく、最も一般的ですが、フッ素や無機系は高価ながら15年以上の耐久性があるため、長期的に見ると経済的な選択となることもあります。
また、マンションの構造や劣化の状態によって、「下地補修」「シーリング工事」「高圧洗浄」などの工程が追加される場合があり、これも費用に大きく影響します。
つまり、同じ規模のマンションであっても、塗料の選び方や施工範囲、下地の状況によって費用は大きく変動します。そのため、相場だけで判断せず、詳細な見積もり内容を確認することが大切です。
戸数・規模別の費用相場の目安
マンションの外壁塗装にかかる費用は、その規模によって大きく異なります。ここでは一般的な戸数別における相場の目安をご紹介します。
まず、小規模なマンション(10〜20戸程度)では、外壁の施工面積も比較的少なく、費用はおおよそ300万円〜600万円程度が相場です。ただし、外壁の材質や劣化の状況、塗料のグレードによって上下するため、事前の現地調査が欠かせません。
中規模マンション(30〜50戸程度)になると、施工面積も増え、必要な足場も大規模になることから、費用は700万円〜1,200万円程度が見込まれます。さらに高層階がある場合は、高所作業費や特殊足場の費用が加算されることもあります。
100戸以上の大規模マンションの場合、総額1,500万円を超えるケースも珍しくありません。この規模になると、複数の工区に分けて作業が行われるため、管理や調整にかかるコストも増加します。
このように、同じ「マンション」という分類でも、規模によって必要な作業や費用が大きく変わるため、まずは戸数と建物の高さを基準に大まかな相場を把握しておくことが重要です。
外壁塗装にかかる見積項目の内訳
マンションの外壁塗装にかかる費用は、いくつかの主要な項目に分かれており、それぞれが費用全体に大きく影響します。ここでは一般的な見積もりに含まれる内訳を解説します。
まず大きな割合を占めるのが「塗料代」です。使用する塗料の種類やグレードによって価格が異なり、耐用年数が長くなるほどコストも高くなります。たとえば、シリコン塗料は比較的安価ですが、フッ素塗料や無機塗料は高性能な分、単価が上がります。
次に、「足場設置・解体費用」も見積もりの中で重要な項目です。マンションのような中高層建築では、安全性と効率性を確保するために足場の設置が必須であり、建物の高さや形状によって金額が左右されます。
また、「高圧洗浄」や「下地補修」、「養生作業」など、塗装前の下準備にも費用がかかります。外壁のひび割れや劣化部分を補修せずに塗装してしまうと、数年で剥がれや膨れの原因になるため、適切な下地処理が不可欠です。
さらに「工賃」や「施工管理費」など、実際の作業に携わる職人や現場監督の人件費も含まれます。安すぎる見積もりの場合、この人件費が削られている可能性があるため、品質に不安が残ることもあります。
見積書を見る際は、これらの項目が明確に記載されているかを確認し、曖昧な表現が多い場合は詳細な説明を求めることが大切です。
塗料の種類とそれぞれの特徴を比較
外壁塗装において、使用する塗料の種類は費用と仕上がり、そして建物の寿命に大きな影響を与えます。とくにマンションのように大規模な建物では、塗料選びの判断が数年後のメンテナンス費用やトラブルの有無を左右する重要なポイントになります。
ここでは、マンションの外壁塗装でよく使用される塗料を中心に、それぞれの特徴や価格、耐用年数について詳しく比較していきます。長期的な視点でコストパフォーマンスの高い選択をするための参考にしてください。
シリコン塗料
シリコン塗料は、マンションの外壁塗装において最も一般的に使用されている塗料の一つです。価格と性能のバランスが取れており、「高すぎず、安すぎず」といった選択を望む管理組合やオーナーに広く支持されています。
耐用年数はおおよそ8〜12年程度とされており、長期的なメンテナンス計画にも適しています。また、紫外線や雨風に対する耐候性にも優れており、日本の気候に適した仕様と言えるでしょう。
さらに、防カビ・防藻性を備えた製品も多く、美観を長期間維持できる点も大きな魅力です。一方で、フッ素や無機塗料と比べると耐用年数はやや短めのため、20年以上メンテナンス不要な建物を目指す場合にはやや物足りなさを感じるかもしれません。
コストと耐久性のバランスを求めるマンションには、非常に現実的で安心感のある選択肢です。
フッ素塗料
フッ素塗料は、耐久性と防汚性に優れた高性能塗料で、マンションのような中・大規模建物で採用されることが増えています。特に、長期間にわたり塗り替えの手間を省きたいと考える管理組合にとっては、非常に魅力的な選択肢です。
最大の特徴は、15〜20年という高い耐用年数です。紫外線や酸性雨といった過酷な自然環境に強く、色あせや劣化が起こりにくいことから、長期にわたって建物の美観を保つことが可能です。また、表面が非常に滑らかで汚れが付きにくいため、外壁が黒ずみにくい点も評価されています。
ただし、その分、材料費や施工単価は高めに設定されています。初期費用はシリコン塗料の1.5倍以上になることもあり、予算に余裕があるか、もしくは長期的な視点での費用対効果を重視するケースに向いています。
一度の投資で長期的なメンテナンスコストを抑えたい場合、フッ素塗料は非常に有効な選択と言えるでしょう。
無機塗料
無機塗料は、現在の外壁塗装市場において最も高性能とされる塗料の一つです。「無機」とは鉱物由来の成分を指し、紫外線や熱、雨風に対して非常に高い耐久性を持ちます。耐用年数は20〜25年と長く、再塗装のサイクルを極力減らしたい大規模マンションにとって、理想的な選択肢です。
この塗料の最大のメリットは、劣化の原因となる有機物がほとんど含まれていないことにより、塗膜が非常に劣化しにくい点です。また、防藻性や防カビ性にも優れ、美観を長期間維持できるため、長期的な維持管理コストを大幅に抑えることが可能です。
一方で、価格は非常に高く、初期費用はシリコン塗料の2倍程度に達する場合もあります。また、製品によっては施工が難しく、熟練した職人でないと本来の性能を発揮できないという点もあるため、施工業者の選定には注意が必要です。
コストはかかっても、耐久性と美観の持続を最優先したい場合には、無機塗料は極めて優れた選択と言えるでしょう。
外壁塗装の費用を抑えるポイントと注意点
マンションの外壁塗装は一度の工事で数百万円〜数千万円に達する大きな支出です。だからこそ、工事の質を落とさずに、いかにして費用を最適化するかが重要な課題となります。
費用を抑えるためには、単に「安い業者を選ぶ」という判断ではなく、適正価格で高品質な施工を行うための戦略的な見積もり取得や補助金制度の活用が鍵を握ります。また、長期的な視点での塗料選びも、トータルコストに大きく影響します。
ここでは、無理なく費用を抑えるための具体的な方法と、失敗を防ぐための注意点をご紹介します。
相見積もりを必ず取る
マンションの外壁塗装を依頼する際、まず行うべきなのが「相見積もりの取得」です。これは複数の施工業者から見積もりを取り、価格や内容、対応の丁寧さを比較する方法です。
相見積もりを取ることで、適正な価格帯が把握できるだけでなく、見積もりの明細や施工内容の違いにも気づくことができます。特に、見積もりの内訳が明確に記載されていない業者や、極端に安い金額を提示する業者には注意が必要です。そういった業者は、後から追加料金が発生する可能性や、品質の低い施工をされるリスクがあります。
また、相見積もりをする際には、同じ条件(塗料の種類、施工範囲、工程など)で依頼することが大切です。条件が異なると、正確な比較ができず、判断を誤る原因になります。
相見積もりを取る手間を惜しまず、情報を集めて冷静に比較検討することで、コストパフォーマンスの高い施工を実現することができます。
補助金・助成金制度の活用
外壁塗装には、自治体によっては補助金や助成金を活用できる場合があります。これらの制度を利用すれば、工事費用の一部を負担してもらえるため、結果的にコストを大幅に削減できる可能性があります。
たとえば、地球温暖化対策の一環として「省エネ塗料(遮熱塗料や断熱塗料)」の使用に対して補助金が出るケースや、「住宅リフォーム支援制度」として外壁塗装が対象となる自治体もあります。補助金額は数万円〜数十万円にのぼることもあり、申請する価値は十分にあります。
ただし、補助制度には以下のような注意点もあります。
- 申請期間や募集枠に限りがある
- 施工前に申請が必要(後からの申請は無効)
- 指定された業者での施工が条件となる場合がある
そのため、外壁塗装を検討し始めた段階で、早めに自治体のホームページや窓口で制度の有無を確認しておくとよいでしょう。補助金の情報は毎年更新されるため、最新情報のチェックも欠かせません。
適切に活用すれば、費用負担を軽減しながら、より高品質な塗料や工事を選択することが可能になります。
長期目線でコストを考える
外壁塗装の費用を抑えるには、目先の金額だけにとらわれず、「長期的なコストパフォーマンス」を考慮することが非常に重要です。たとえば初期費用が安い塗料を選んでも、耐用年数が短ければ、数年ごとに再塗装が必要になり、結果的に費用がかさむことになります。
一方で、フッ素塗料や無機塗料のように耐久性が高く、20年近くメンテナンス不要の塗料を選べば、1回あたりの費用は高くても、再塗装の回数が減る分、トータルでの支出は抑えられる可能性があります。
また、定期的な塗装を怠ると、外壁材の劣化が進み、塗装だけでは補えない「外壁の張り替え」などの大規模な修繕が必要になることもあります。これは数百万円以上の追加コストが発生するリスクを意味します。
したがって、塗料選びや施工計画は、短期の見積金額だけではなく、「将来的にどれくらいの維持管理コストがかかるのか」という視点で判断することが、結果的に賢い選択となるのです。
まとめ~津市のアパート・マンションの外壁塗装なら
本記事では、マンションの外壁塗装にかかる費用相場や、使用される塗料の種類とその特徴、さらに費用を抑えるための具体的なポイントについて詳しくお伝えしました。
外壁塗装は、マンションの美観や資産価値を保つために欠かせない重要な工事です。その一方で、数百万円以上の大きな費用がかかるため、慎重な判断と正確な情報が求められます。塗料の選定や見積もりの取り方、補助金制度の活用などを通じて、無理のない予算で納得のいく塗装工事を実現することができます。
最終的に成功の鍵を握るのは、「複数の業者との比較」「長期的な視点でのコスト管理」「信頼できるパートナー選び」です。今回の記事を参考に、ぜひ貴マンションの外壁塗装にお役立てください。
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