マンションの外観は、資産価値を左右する重要な要素です。特に外壁タイルは、その耐久性と美観により、多くのマンションで採用されています。
しかし、長年の使用と自然の厳しい条件に晒され続ける外壁タイルは、いずれ劣化や損傷の兆しを見せ始めます。
そんな時、マンションオーナーや管理組合は「外壁タイルに塗装は必要なの?」という疑問を抱く方が多いのではないでしょうか。
この記事では、マンション大規模修繕専門店の視点から、外壁タイルの保護と美観維持のために外壁塗装がなぜ重要なのかを解説し、そのメリットを深堀りしていきます。
マンションの外壁タイルには塗装は必要?
マンションの美観を象徴する外壁タイルですが、長年にわたる自然の影響や建物の経年変化により、状態を維持するためには修繕が必要となります。
ただ、多くのオーナー様や管理組合の方々から、「外壁タイルに塗装は実際に必要なの?」と耳にすることがあります。
ここでは、この疑問に答えるために、外壁タイルの特性と塗装の必要性について、塗装のメリットと潜在的なリスク、そして塗装を決定する際のポイントをご紹介いたします。
外壁タイルは塗装不要?
外壁タイルが持つ耐久性は非常に高く、その耐用年数は40年を超えるとも言われています。
これはタイルが自然素材を高温で焼き固めて作られているため、非常に高い強度を誇るからです。
実際、1300度という高温で焼成されるタイルは、硬質であり、日々の厳しい気象条件にも耐えうる質感と耐久性を備えています。
しかし、このような優れた特性を持つタイルであっても、永遠にメンテナンスが不要というわけではありません。
時間の経過と共に、タイル表面の汚れや色褪せ、細かなひび割れなどの劣化が顕在化してきます。
これらの変化は、外壁の美観だけでなく、機能性にも影響を及ぼす可能性があるのです。
さらに、タイルは低吸水率であるとはいえ、完全に水を吸収しないわけではありません。
そのため、長期間にわたり劣化が進んでいるタイルを放置すると、最終的には剥がれや浮きが生じ、これが雨水の侵入経路となり、結果として雨漏りの原因になることも否定できません。
このように、外壁タイルにも寿命があり、適切な時期にメンテナンスを行うことが重要です。
外壁タイルの塗装は、これらの劣化を防ぎ、長期にわたって建物を保護するための有効な手段となるのです。
外壁タイルの劣化症状
マンションの外壁タイルは、その耐久性から長期間にわたる使用が可能ですが、経年によって劣化のサインが現れます。
次の症状は、外壁の美観を損なうだけでなく、マンションの安全性や快適性にも影響を与えるため、早期の発見と適切な対処が求められます。
①汚れや色褪せ
外壁タイルの表面には時間とともに汚れが蓄積し、美しい色合いが褪せてしまうことがあります。雨や排気ガス、紫外線などによる影響が大きいです。
②浮き
タイルの浮きは、接着不良や水の侵入によりタイルの下地との接着が弱まることで起こります。この状態を放置すると、最終的には剥がれの原因となります。
③剥がれ
剥がれは、タイルが壁から完全に離れ落ちる現象で、安全上大きな問題となります。浮きが進行すると発生しやすく、早急な補修が必要です。
④割れ
衝撃や振動、温度変化により、タイル自体に割れが生じることがあります。割れたタイルは雨漏りの原因となるため、交換が必要です。
⑤目地のひび割れ
タイルとタイルの間にある目地も経年劣化するとひび割れが生じます。これにより水が侵入しやすくなり、内部の構造に損害を及ぼす恐れがあるため、シーリング材の打ち替えが必要です。
外壁タイルの剥がれや落下に注意
外壁タイルの剥がれや落下は、マンションの安全性に直結する重大な問題となります。
建物が絶えず紫外線や温度変化、強風や雨といった外部環境の影響を受ける中で、タイルが下地から離れ落ちるリスクは常に存在します。
実際、マンションの外壁タイルが剥がれ落ちる事故は、過去にも繰り返し報告されており、その危険性は決して過小評価できません。
特に、高層部分のタイルが剥がれた場合、落下したタイルが通行人に直撃すれば、重大な事故につながる可能性があります。
このような事故を防ぐために、日本国内では建築基準法に基づき、10年ごとに外壁の打診調査を義務付けています。
これにより、外壁タイルの異常を早期に発見し、必要な修繕を施すことが求められています。
さらに、タイルの剥がれや目地のひび割れから雨水が侵入すると、建物の内部構造に損傷を与え、腐食や雨漏りの原因となります。
こうした損傷は見た目には分かりにくいため、定期的な専門家による検査が不可欠です。
外壁タイルの外壁塗装
美しい外壁タイルも時間とともに劣化し、元の輝きを失い始めます。
外壁タイルに塗装を施すことで、美観を回復させるだけでなく、タイルの保護も期待できます。
ここでは、外壁タイルの外壁塗装、塗装のプロセス、塗装がマンションの価値をどのように高めるかを詳細に解説していきます。
外壁タイルに活用される塗料
外壁タイルの塗装には、専用の塗料が用意されています。
市場には多種多様な塗料が存在しますが、特にタイル専用に設計されたものを選ぶことが大切です。
タイルの魅力を最大限に引き出すためには、その外観を損なわない必要があります。
そのため、タイルのオリジナルの色調や質感を活かすために、透明なクリア塗料を使用する傾向が強まっています。
クリア塗料は、タイルの持つ自然な色合いや繊細な模様をそのままに保ちつつ、外壁を保護します。新築当時の輝きを取り戻し、見た目にも美しく仕上がります。
タイル用のクリア塗料は、防汚性や耐候性を高める効果も期待できるため、単なる美観の回復だけではなく、機能的なメリットも兼ね備えています。
適切な塗料の選定と施工により、マンションの外壁タイルは長期にわたりその価値を維持することができるのです。
目地のシーリング工事も欠かせない
外壁タイルのメンテナンスにおいて、目地のシーリング工事は非常に重要な役割を担っています。
目地とは、タイルとタイルの間に存在する継ぎ目の部分で、この部分は建物の伸縮による動きを吸収し、外壁の防水性を保持するための柔軟性を持たせるために、シーリング材で埋められています。
しかし、このシーリング材は紫外線や温度変化、雨風といった外部環境に長期間さらされることで劣化します。
劣化したシーリング材は、ひび割れや硬化してしまい、その機能を果たせなくなります。
シーリング工事は、古くなったシーリング材を取り除き、新しい材料で補修する作業です。
適切に実施されるシーリング工事は、タイルの剥がれや浮きを防ぎ、雨水の浸入を防止して内部の腐食や雨漏りを予防すると共に、断熱や遮音の性能を維持する効果もあります。
この工事を適時に行うことで、外壁の寿命を延ばし、マンションの居住性を高めることが可能となります。
外壁タイルのシーリング工事は、専門的な技術と知識を要するため、信頼できる専門業者に依頼することが肝心です。
外壁タイルの交換が行われることも
外壁タイルは耐久性が高い建材ですが、劣化や損傷が進行した場合、単なる補修を超えて交換が必要になることもあります。
タイルの交換は、外壁の劣化症状が深刻で、例えば割れや剥がれが発生している、構造的な安全性に問題が生じている、などと判断された時に行われます。
タイルの交換作業は、損傷したタイルを丁寧に取り除き、新しいタイルを再び適切に設置します。
建物の見た目を大幅に改善し、また構造的な安全性を確保するために重要です。
交換に際しては、同じ種類のタイルを使用することで一貫性を保つか、または新しいデザインや材質のタイルを選択して外壁に新たな特徴を加えることもできます。
交換はコストと時間を要する作業であるため、適切な時期と方法で行うことが経済的にも効率的です。
専門業者による定期的な点検とメンテナンスは、タイル交換の必要性を早期に特定し、計画的な対応を可能にします。
また、タイル交換を行うことで、マンションの外観を更新し、長期にわたる建物の価値を維持します。
まとめ
この記事では、マンションの外壁タイルの塗装について詳細にわたり解説しました。
外壁タイルはその耐久性から40年以上の長寿命が期待されますが、それでも定期的なメンテナンスが必要であること、特にタイルの剥がれや落下には注意が必要であることをお伝えしました。
マンションオーナーや管理組合では、専門家の意見を聞きながら適切なメンテナンス計画を立て、美観の維持と安全性の確保が必要です。
マンションの外壁塗装を検討しているのであれば、地元に根付いて営業活動している大規模修繕専門店に相談しながら決めていくようにしましょう。
疑問や質問などございましたら、『株式会社リペイント匠 大規模修繕事業部(TEL0120-770-760 営業時間8:00~20:00)』までお気軽にお問合せしてください。
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