マンションの外観は、その建物の顔とも言えます。
特に外壁は、日々太陽の光や風雨にさらされ、時間と共に劣化していきます。
外壁のメンテナンスとして重要なのが「外壁塗装」です。
しかし、外壁塗装の重要性を見落としがちで、外壁塗装を怠ると、見た目の悪化だけでなく、建物自体の寿命を縮める原因ともなります。
本記事では、マンションの外壁塗装をしないとどうなるのか、そのリスクと塗装のタイミング、費用相場について、大規模修繕の専門家の視点から分かりやすく解説します。
マンションの外壁塗装をしないとどうなる?
マンションの外壁塗装は、美観の問題だけではありません。
外壁塗装を行わないことで生じる具体的な問題とその後の影響には、深刻なものがあるのです。
この記事では、専門家の視点からマンションの外壁塗装を怠った際のリスクについて詳しく解説し、その重要性について解説します。
外壁の劣化により美観を損なう
外壁の劣化は、マンションの美観を大きく損なう要因となります。
長期間にわたって太陽の紫外線や雨水、大気汚染にさらされることで、最も一般的な劣化の症状である『色褪せ』が発生します。
この色褪せは、建物が古く、手入れされていない印象を与え、その結果、マンション全体の魅力が減少します。
加えて、雨水に含まれる汚れや都市部の排気ガスなどが外壁に付着し、目に見える汚れを形成することもあります。
このような汚れは、マンションが不衛生であるかのような印象を与え、さらに価値を低下させる可能性があります。
また、建物の自然な沈下や温度変化、材質の老朽化により、外壁にひび割れが生じることもあります。
これらのひび割れは、見た目の問題だけでなく、雨水が内部に侵入しやすくなり、将来的な建物の損傷につながるリスクもあります。
その他、塗膜の剥がれやカビ、藻の発生も外壁の美観を損なう要因です。
これらの問題は、単に外観上の問題ではなく、マンションの価値や魅力を低下させるため、適切なメンテナンスと定期的な塗装による対策が必要です。
雨漏りや外壁内部の腐食が発生する
マンションの外壁塗装を怠ると、雨漏りや内部の腐食といった深刻な問題が発生するリスクがあります。
これらの問題は、単に外観上の問題を超え、建物の構造的な安全性にも影響を及ぼします。
外壁の塗装が劣化すると、塗膜の防水機能が低下します。これにより、雨水が外壁のひび割れや隙間から浸透し、建物内部に侵入することがあります。
雨漏りは、内壁の損傷、カビや藻の発生、さらには電気設備への影響など、多方面にわたる問題を引き起こします。
特に、雨漏りによる損傷は見えにくい部分で進行するため、発見が遅れがちで、対処が困難になることがあります。
外壁からの水の侵入は、鉄筋や構造材の腐食を促進します。
建物の強度を低下させ、最終的には建物の耐震性や安全性にも影響を及ぼす可能性があります。
特に、鉄筋の錆は構造的な問題を引き起こすため、非常に深刻です。
雨漏りや内部の腐食は、住居者の健康にも悪影響を及ぼします。
カビの発生はアレルギーや呼吸器系の問題を引き起こすことがあり、特に子供や高齢者には重大なリスクとなります。
これらの問題を避けるためには、外壁の状態を定期的にチェックし、必要に応じて塗装を行うことが重要です。
外壁塗装は、見た目の美しさを保つだけでなく、建物を保護し、長期的な安全性を確保するために不可欠なメンテナンス作業です。
入居率が悪化する
外壁塗装を怠ることは、マンションの入居率にも影響を及ぼす重要な問題です。
マンションを探す際、潜在的な入居者や購入者は、まず外壁の状態に目を向けます。
色褪せ、汚れ、ひび割れなどが目立つ建物は、古く手入れされていない印象を与え、魅力的ではないと感じさせます。
外壁の劣化はマンションの美観を損ない、建物全体の価値を下げ、新しい入居者を引き付ける力を弱めることになります。
また、入居者は見た目が美しく、よくメンテナンスされた建物に住むことを望みます。
外壁の状態が悪いと、住んでいる人々の満足度が低下し、安心して暮らせる環境ではないと感じる可能性があります。
これは、結果的に退去を考える入居者が増える原因となります。
さらに、外壁の劣化はマンションの市場競争力を下げる要因にもなります。
美観が損なわれたマンションは、他の魅力的な物件に比べて見劣りし、高い賃料を設定することが難しくなります。
これは、収益性にも影響を及ぼすことになります。
建物の寿命が短くなる
外壁塗装を定期的に行わない場合、マンションの建物寿命にも大きな影響を及ぼすことがあります。
外壁は、建物を様々な外部環境から保護する重要な役割を担っています。
塗装が劣化すると、その保護機能が低下し、建物自体がさまざまなリスクにさらされることになります。
劣化した外壁は、雨水や湿気、汚染物質などを適切に防ぐことができなくなります。
これにより、外壁の内部に水分が浸透しやすくなり、建物の鉄骨やコンクリートの腐食、さらには内部構造の弱体化を引き起こす可能性があります。
特に、鉄筋の錆びは建物の強度を著しく低下させ、長期的な安全性に影響を及ぼします。
また、外壁の劣化による雨漏りは、建物内部の壁や床などを損傷させることもあります。
これにより、建物内部の修繕が必要となり、それはコストと時間を要する問題となります。
長期にわたる水の侵入は、建物の内部構造を脆弱にし、最終的には建物の寿命を短くする原因となります。
加えて、外壁の劣化は建物の断熱性を低下させることがあります。
これにより、冷暖房の効率が低下し、エネルギーコストが増加するという副次的な問題も生じます。
これらの問題を避けるためには、外壁の状態を定期的にチェックし、必要な塗装を行うことが重要です。
修繕費用が高くなる
外壁塗装を定期的に行わないことは、最終的にマンションの修繕費用を高くする原因となります。
外壁の劣化が進行すると、単に外壁だけでなく、建物全体の様々な部分に影響を及ぼし、大規模な修繕が必要になるからです。
引き起こす具体的な問題には、外壁自体の損傷、雨漏りによる内部の損傷、構造材の腐食などがあります。
これらの問題が発生すると、修繕作業は単に外壁の塗り替えに留まらず、内部の壁や床の交換、構造材の強化や交換など、より広範囲かつ高コストの作業が必要となります。
例えば、外壁のひび割れや剥がれから水分が浸入すると、内部の壁材や床材が腐食し、これを修復するには大規模な工事が必要になります。
また、水漏れによる電気設備の損傷は、安全上の問題を引き起こすだけでなく、電気設備の全面的な交換を余儀なくされる場合もあります。
さらに、外壁の劣化は断熱性能の低下を引き起こし、エネルギーコストの増加に繋がります。
これは、直接的な修繕費用ではないものの、建物の運用コストを増加させる一因となります。
したがって、定期的な外壁塗装は、長期的に見れば建物のメンテナンスコストを削減する手段です。
初期の投資が必要であっても、定期的な塗装により、大規模な修繕の必要性を減らし、結果的には全体的な修繕費用を節約することが可能です。
そのため、適切な外壁のメンテナンスは、建物の価値を維持し、長期的なコスト削減に繋がる重要な投資と考えるべきです。
マンション外壁塗装のタイミング
マンションの外壁塗装は、単に外観を保つだけではなく、建物の寿命を延ばし、修繕コストを節約するためにも重要です。
しかし、いつ外壁塗装を行うべきか、その最適なタイミングを見極めるのが難しいと感じているのではないでしょうか。
ここでは、外壁塗装を行うべき適切なタイミング、劣化のサインをどのように識別するか、また塗装の費用相場について、専門家の視点から分かりやすく解説します。
外壁塗装の頻度は約10~15年
外壁塗装の適切な頻度は一般的に約10〜15年ごととされています。
しかしこれはあくまで目安であり、実際には、マンションの立地、使用されている材料、地域の気候条件、建物の使用状況などによって、塗装の頻度は異なります。
日当たりが良く、紫外線の影響を受けやすい場合であれば、塗装の劣化が早く進むことがあります。
また、使用する塗料の種類も重要です。
高品質の塗料を使用すると、耐久性が高く色褪せや劣化が遅いため、塗装の頻度を長めにすることが可能です。
しかし、標準的な塗料を使用する場合は、10〜15年の間隔で塗り替えが必要になることが一般的です。
さまざまな要因を総合的に考慮し、定期的な点検と専門家の意見を参考に、外壁塗装の適切なタイミングを判断することが重要です。
劣化症状のサイン
外壁塗装のタイミングを見極めるためには、外壁の劣化症状を識別することが重要です。
①色褪せ
塗装の劣化の最も一般的な兆候として『色褪せ』があります。色褪せは、日光による紫外線の影響や、雨水、大気汚染によるものであり、塗装が保護機能を失い始めていることを示しています。
②ひび割れ
外壁に小さなひび割れが見られる場合、これは塗膜の劣化や建物の構造的な損傷を示しています。水分が浸透する経路となるため、早めの対応が必要です。
③塗膜の剥がれ
塗膜が剥がれ落ちる現象は、塗料の密着性が低下していることを意味します。これは、塗料自体の劣化や、下地の問題が原因で起こります。
④カビや藻の発生
外壁にカビや藻が生えている場合、これは高い湿度と塗膜の劣化が原因で発生します。カビや藻は見た目の問題だけでなく、建物の構造にも悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤汚れの蓄積
時間と共に外壁に汚れが蓄積するのは自然なことですが、汚れが簡単に取れない場合、塗膜の保護機能が低下していることを示しています。
これらのサインが見られた場合、外壁塗装のタイミングが近づいている可能性が高いです。
定期的な外壁の点検は、これらの劣化症状を早期に発見し、適切な対応を行うために重要です。
劣化の初期段階で対処することで、より大きな損傷と修繕費用の増加を防ぐことができます。
外壁塗装の費用相場
マンションの外壁塗装の費用相場に関して、3階建てと4階建てのマンションでは以下のような費用がかかることが一般的です。
- 3階建てマンションの場合:約130万円~410万円
- 4階建てマンションの場合:約340万円~550万円
これらの金額は概算であり、実際の費用は建物の状態、使用する塗料の種類、立地条件、業者の選定などによって変動する可能性があります。
まとめ
この記事では、マンションの外壁塗装の重要性と、そのタイミングや費用相場について解説しました。
外壁塗装を怠ることのリスクとして、外壁の劣化による美観の損失、雨漏りや内部の腐食、入居率の低下、建物の寿命の短縮、そして修繕費用の増大が挙げられます。
これらの問題を避けるためには、定期的な外壁塗装が不可欠です。
外壁塗装は、美観の維持だけでなく、建物の寿命を延ばし、長期的なコスト削減にも繋がります。
マンションの価値を守るためには、定期的なメンテナンスと適切な外壁塗装が必要不可欠です。
マンションの外壁塗装を検討しているのであれば、地元に根付いて営業活動している大規模修繕専門店に相談しながら決めていくようにしましょう。
疑問や質問などございましたら、『株式会社リペイント匠 大規模修繕事業部(TEL0120-770-760 営業時間8:00〜20:00)』までお気軽にお問合せしてください。
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