マンションにはアパート・マンション修繕工事が必要になりますが、一番頭を悩まされるのは『費用』ではないでしょうか。
実際、マンションで積立している資金は不足しているという意見も多いため、やはり適切な相場を知って、できるだけ安価に済ませたいと考えるのは当然のことです。
とは言え、あまりにも費用を削ってしまうと必要な修繕ができず、住民の満足度も低下し、マンションの入居率にも影響を及ぼすことが考えられます。
そこでここでは、マンションのアパート・マンション修繕工事の費用について、国土交通省のデータを活用しながら、三重県津市・松阪市・名張市のアパート・マンションアパート・マンション修繕専門店が詳しくお伝えしていきます。
参考『国土交通省:令和3年度マンションアパート・マンション修繕工事に関する実態調査』
マンションアパート・マンション修繕工事の費用の実態
国土交通省では、マンションのアパート・マンション修繕工事の実態を統計的に整理するために、直近3年間に工事を受注した企業に対して、
- マンションの概要(戸数や床面積、階数、築年数、工事階数など)
- アパート・マンション修繕工事の工事費用
- アパート・マンション修繕工事の工事内訳
などといったアンケート調査を行っています。
実際に工事を行ったマンションが、どのくらいの規模で、どのような工事を施工し、どのくらいの費用になったのかご紹介していきましょう。
工事回数と工事金額について
中央値 | 平均値 | |
1回目 | 8,665.0万円 | 15,237.4万円 |
2回目 | 7,660.0万円 | 11,702.7万円 |
3回目 | 8,703.0万円 | 14,758.6万円 |
国土交通省の公表しているデータによりますと、工事の回数ごとの工事金額についてまとめると、上記の通りとなります。
もっとも多い工事費用を工事回数別に挙げてみると、下記の通りになっています。
工事回数 | 工事費用 |
1回目 | 4,000万円~6,000万円(17.3%)
6,000万円~8,000万円(11.8%) |
2回目 | 6,000万円~8,000万円(18.1%)
4,000万円~6,000万円(17.6%) |
3回目 | 6,000万円~8,000万円(16.9%)
10,000万円~15,000万円(16.9%) |
ただし、これらについてはマンションの規模に分けられておらず、あくまで回数別の費用として挙げられているものです。
工事回数と戸あたりの工事金額について
中央値 | 平均値 | |
1回目 | 110.2万円/戸 | 151.6万円/戸 |
2回目 | 106.1万円/戸 | 112.4万円/戸 |
3回目 | 97.0万円/戸 | 106.1万円/戸 |
アパート・マンション修繕工事の戸あたりの工事金額についてご紹介します。
回数別に分けると次の通りとなります。
工事回数 | 工事費用 |
1回目 | 100万円~125万円/戸(31.4%)
75万円~100万円/戸(21.3%) 125万円~150万円/戸(21.3%) |
2回目 | 100万円~125万円/戸(27.6%)
75万円~100万円/戸(27.6%) |
3回目 | 75万円~100万円/戸(28.4%)
100万円~125万円/戸(21.8%) |
回数に関係なく全体で見てみれば、戸あたりで最も高い割合の工事金額は『100万円~125万円/戸』で27.0%、次いで多いのが『75万円~100万円/戸』で24.7%となっています。
工事回数と床面積あたりの工事金額について
中央値 | 平均値 | |
1回目 | 1.1万円/㎡ | 1.3万円/㎡ |
2回目 | 1.3万円/㎡ | 1.5万円/㎡ |
3回目 | 1.2万円/㎡ | 1.9万円/㎡ |
次にマンションアパート・マンション修繕工事の回数と、床面積あたりの工事金額について中央値と平均値をお伝えします。
床面積あたりの工事金額の割合の多いものは次の通りとなっています。
工事回数 | 工事費用 |
1回目 | 1.0万円~1.5万円/㎡(40.3%)
0.5万円~1.0万円/㎡(24.5%) |
2回目 | 1.0万円~1.5万円/㎡(41.2%)
1.5万円~2.0万円/㎡(19.1%) |
3回目 | 1.0万円~1.5万円/㎡(18.9%)
0.5万円~1.0万円/㎡(15.2%) |
回数にかかわらず、㎡あたり1.0万円~1.5万円がもっとも高いことが分かります。
マンションアパート・マンション修繕工事の規模別の費用相場
上記でご紹介した国土交通省のデータをもとにして、マンションの規模別でどのくらいの費用になるのか算出してみましょう。
・小規模マンション(50戸以下)
25戸 | 40戸 | |
1回目 | 3,790万円 | 6,064万円 |
2回目 | 2,810万円 | 4,496万円 |
3回目 | 2,652万円 | 4,244万円 |
※国土交通省のデータ『戸あたりの工事金額』より算出
アパート・マンション修繕工事の『戸あたりの工事金額』の平均値は、上記でもお伝えした通り、
1回目:151.6万円/戸
2回目:112.4万円/戸
3回目:106.1万円/戸
となっており、その数値からおおよその金額を算出してみました。
工事内容によって増減が生じますが、それでも数千万円規模の工事費用になると理解しておくことが大切です。
・中規模マンション(50戸~100戸)
60戸 | 90戸 | |
1回目 | 9,096万円 | 13,644万円 |
2回目 | 6,726万円 | 10,116万円 |
3回目 | 6,366万円 | 9,549万円 |
※国土交通省のデータ『戸あたりの工事金額』より算出
小規模同様に『戸あたりの工事金額』より算出しています。
中規模程度になると、工事費用が億を超えるようなケースも多くなります。
計画を立てて、修繕費用の積立を行う必要があります。
・大規模マンション(100戸以上)
150戸 | 300戸 | |
1回目 | 22,740万円 | 45,480万円 |
2回目 | 16,860万円 | 33,720万円 |
3回目 | 15,915万円 | 31,830万円 |
※国土交通省のデータ『戸あたりの工事金額』より算出
150戸の場合においても、1億5,000万円から2億2,000万円程度となり、大規模マンションになるとほとんどが億を超える工事費用になることが分かります。
マンションアパート・マンション修繕工事の周期や回数・築年数について
マンションアパート・マンション修繕工事をどのタイミングで行えば良いのか、その周期についてお悩みの方も多いのではないでしょうか。
新築からどのようなタイミングで工事を施工されているのか、こちらも国土交通省のデータを活用しながら、お伝えしていきましょう。
アパート・マンション修繕工事の回数と築年数
工事回数 | 工事費用 |
1回目 | 築15年以下(51.6%)
築15年~20年(32.6%) |
2回目 | 築26年~30年(47.2%)
築30年~35年(18.1%) |
3回目 | 築41年以上(46.5%)
築36年~40年(25.5%) |
アパート・マンション修繕工事の回数と築年数の関係については、上記の通りとなっています。
ちなみに、1回目の平均は『18.2年』、2回目の平均は『29.4年』、3回目の平均は『37.3年』となっています。
アパート・マンション修繕工事の平均修繕周期について
アパート・マンション修繕工事の周期については、その平均値として『13年』がもっとも多く、23.1%となっています。
次いで、『12年』『14年』『15年』であるマンションが多く、12年から15年で全体の約7割となっていることが分かります。
ちなみに回数別で見てみると、
工事回数 | 中央値 | 平均値 |
1回目 | 14.0年 | 15.6年 |
2回目 | 13.0年 | 14.0年 |
3回目 | 13.0年 | 12.9年 |
と、回数が増えるごとに、少しずつその周期は短くなっていることが分かります。
マンションの修繕積立金について
マンションにおいては冒頭からお伝えしている通り、アパート・マンション修繕工事が必要となるため、修繕のための積立を行っていく必要があります。
この積立金のことを『修繕積立金』と呼んでおり、管理費とは別に計画立てて積立していく必要があります。
ちなみに管理費は、共用部分の水道光熱費や電球などの消耗品費、軽微な補修などに充てられるもので、アパート・マンション修繕工事のための修繕積立金とは異なるものです。
修繕積立金とは
修繕積立金は、12年から15年周期で行われるアパート・マンション修繕工事のために、マンション住民によって少しずつ積み立てていくものです。
アパート・マンション修繕工事は、外壁補修や屋上防水、配管補修、設備の部品交換や全面改修などといったもので、管理費で賄う軽微な補修は該当しません。
ただ、マンションの管理組合によって、修繕積立金で支出することがふさわしいと判断されるようなものには、費用が使われることもあります。
積み立ては、管理組合が作成した長期修繕計画をもとにして計画的に行われ、積み立てた修繕積立金は計画的に活用されます。
修繕積立金の徴収について
国土交通省は、アパート・マンション修繕工事のために行う修繕積立金について『マンションの修繕積立金に関するガイドライン』を公表しています。
この中で、『修繕積立金の額の目安』と『修繕積立金の積立方法』について記載されています。
『修繕積立金の額の目安』については、それぞれのマンションによって状況は異なりますが、以下の通り、目安が示されています。
20階未満 | 255円~335円/㎡(月) |
20階以上 | 338円/㎡(月) |
※国土交通省『マンションの修繕積立金に関するガイドライン』より引用
また、『修繕積立金の積立方法』については、
- 計画期間中均等に積み立てる方式(均等積立方式)
- 当初の積立額を抑え段階的に積立額を値上げする方式(段階増額積立方式)
- 購入時にまとまった額の基金を徴収する(修繕積立基金)
といった3つの方法について紹介されています。
均等積立方式とは
『均等積立方式』とは、マンションアパート・マンション修繕工事に必要となる費用を、マンションの竣工当初から均等に割って負担するという考え方です。
マンションの中ではまだまだ多くない徴収方式ですが、国土交通省においても推奨していることから、少しずつ増えています。
長期間、月々の修繕積立金の支払い額に変更がないため、計算や管理が容易であり、また合意形成して増額するような取り組みも必要ありません。
段階的に増額する『段階増額積立方式』と比較すると、築年数が浅い間は割高となってしまいますが、長期的に居住することを考えているのであれば、老後の生活設計などもしやすい利点があります。
もちろん状況によって増額しなければならないケースもないとは限りませんが、大幅に増額するような可能性は少ないことから、資産価値の向上にも繋がります。
段階増額積立方式とは
『段階増額積立方式』とは、マンションの新築時の修繕積立金は低く設定されており、段階的に額を引き上げていく考え方です。
マンションは経年によって劣化が生じるようになると、さまざまな修繕が必要となり、修繕費用も増大します。
そのようなことから、その時点に居住している住民が、その時点で必要となる修繕費用を積み立てていくという合理的な積立方式なのです。
マンションの竣工時においては、修繕積立金の額が低いために、購入者の負担も少ないために入居率の向上に繋げることができるでしょう。
ただし段階的に費用負担が大きくなる訳ですから長く居住すればするほど、『均等積立方式』と比較すると老後の生活に不安を感じる居住者が多くなってしまいます。
そのようなことから、必要に応じて積み立て額を引き上げる方法が採用されているケースが多いのですが、合意形成が難しくなってしまう可能性があります。
修繕積立基金とは
『修繕積立基金』とは、新築マンションを購入するときにアパート・マンション修繕工事に利用する費用を支払うという考え方です。
上記で説明した『均等積立方式』『段階増額積立方式』では、居住者から毎月一定の費用を積み立てていきますが、それだけでは修繕費用は足りなくなることもあります。
そのため、竣工時にまとまった費用を集めておき、アパート・マンション修繕工事のために蓄えておくのです。
そのようなことから、中古マンションとして購入する場合には、修繕積立基金を支払う必要はありません。
まとめ
マンションのアパート・マンション修繕工事の費用について、国土交通省が公表しているデータをもとにして、相場など、詳しくご紹介しました。
マンションのアパート・マンション修繕工事は、12年から15年の周期で取り組まれることが多く、小規模のマンションであるとしても数千万円、中規模クラスになると億の費用が必要となるケースも多くなります。
そのため、修繕計画に沿って、計画的に費用を積み立てていくことが大切です。
マンションのアパート・マンション修繕工事の費用についてお悩みであれば、地元に根付いて営業活動しているアパート・マンション修繕専門店に相談しながら決めていくようにしましょう。
疑問や質問などございましたら、『株式会社リペイント匠 大規模修繕事業部(TEL0120-770-760 営業時間8:00~20:00)』までお気軽にお問合せしてください。
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