アパート経営をしていると、定期的な建物メンテナンスが必要となります。
その中でも、外壁塗装は見た目の美しさを保つだけでなく、建物を長持ちさせるためにも欠かせない作業です。
しかし、その費用は一般的に高額で、どのように見積もりを出すべきか迷うオーナー様も少なくないでしょう。
アパートの外壁塗装は一見すると単純な作業のように思えますが、実はいくつかの工程が含まれています。
その工程を理解することで、適切な見積もりを取ることが可能となります。
そこでこの記事では、アパートの外壁塗装にかかる費用や見積もりのポイントについて、具体的な費用の内訳から、どのように見積もりを出すべきか、さらにはどのようにアパートの外壁塗装を入居率アップに繋げるかまで、三重県津市・松阪市・鈴鹿市・亀山市・名張市・いなべ市のアパート・マンション大規模修繕専門店が詳しくお伝えしていきます。
アパートの外壁塗装費用の相場
アパートの維持管理にはさまざまな要素が含まれますが、その中でも外壁のメンテナンスである『外壁塗装』は大きなポイントとなります。
なぜなら、外壁塗装はアパートの寿命を延ばすだけでなく、美観を保ち入居率の向上にも大きな影響を与えるからです。
一般的な2階建てのアパート(延床面積約500㎡)の場合、外壁塗装費用の相場はおおよそ200万円から400万円程度となります。
この金額はあくまで外壁塗装のみの場合で、防水工事など他の補修工事を含む場合や、使用する塗料の種類、選ぶ施工業者によって上下します。
外壁塗装費用は、大きく分けて塗料代、足場代、施工代、施工業者の利益の4つで構成されます。これらの要素を理解することで、見積もりを適切に評価し、予算を最適に配分することが可能となります。
それでは、各項目について詳しく見ていきましょう。
塗料代
外壁塗装費用において重要な塗料代は、使用する塗料の種類やグレードによって大きく変動します。塗料には、さまざまな種類や特性があり、それぞれ異なる価格設定となっているのです。
一般的に、塗料はその品質と価格が比例する傾向にあります。
安価な塗料は初期費用を抑えられるメリットがありますが、耐候性が低いため外壁塗装の寿命が短くなりがちです。
それに対し、グレードの高い塗料は初期投資は大きいものの、耐候性が高く、結果として塗装の寿命が長くなる可能性があります。
塗料の特徴と費用相場は下表のとおりです。
費用相場/㎡ | 耐用年数 | |
シリコン塗料 | 1,500~4,000円 | 約8年~13年 |
フッ素塗料 | 3,500~10,000円 | 約10年~15年 |
無機ハイブリッド塗料 | 5,000~12,000円 | 約15年~25年 |
代表的な3種類のグレードです。
『シリコン塗料』は、一般的によく使われる塗料で、価格と機能のバランスが良い塗料であると言われています。
『フッ素塗料』は、 耐候性を優先する方にオススメ。長期間にわたり、建物を保護する機能に優れています。
近年においては、フッ素塗料に無機成分を配合した『無機配合型フッ素塗料』と呼ばれる、高い耐候性を持ち、塗料の劣化要因である紫外線・雨・熱から建物を守ることができる塗料も登場しています。
『無機ハイブリッド塗料』は、無機と有機のハイブリッド型で高い耐候性を持っています。塗料の劣化要因である紫外線・雨・熱から建物を守ります。
この表のように、塗料の費用は種類ごとに大きく異なります。
塗料代だけでなく、足場費用や施工費用も発生するため、短期的な視点だけで塗料を選んでしまうと全体的なコストパフォーマンスが悪くなる可能性があります。
長期的な視野に立って考えることが重要です。
具体的な塗料の選び方は、建物の状況や目的、予算等を考慮しながら、専門的な視点からアドバイスが得られる施工業者と相談することが最も有効です。
例えば、アパートの立地や外壁の現在の状態、将来のメンテナンス計画等を考慮に入れて、最適な塗料を選びましょう。
塗料選びは一見複雑に思えますが、考え方次第である程度予算内での最適な方法を見つけることが可能です。
足場代
アパートの外壁塗装費用の中でも、足場代は大きな割合を占める一部です。
この足場代は、建物の規模、形状、立地状況などにより変動しますが、一般的な相場としては600~800円/㎡程度を見ておくと良いでしょう。
しかし、住宅密集地など状況によっては、単価が上がることもあります。また、難易度の高い建物形状や、特殊な足場が必要となる場合も、追加料金が発生する可能性があります。
では、足場代を自分で大まかに計算するにはどうすればよいでしょうか。まずは「足場架面積」を算出することから始めます。足場架面積とは、足場をかける面積のことを指します。
『足場架面積= (家の外周+8m)×軒の高さ+1m』
「家の外周+8m」の部分は、外壁から足場までの距離を加えた外周長さです。
そして、「軒の高さ+1m」は、足場の高さを指します。この「+1m」は、屋根周りなどで安全に作業ができるように余裕を持たせたものです。
算出した足場架面積をもとに、足場費用を次のように計算します。
『足場費用=足場架面積×(足場費用/㎡+飛散防止ネット/㎡)』
このように、一見複雑そうに見える足場代も、基本的な計算方法を理解すれば自分で概算を出すことが可能です。
ただし、これはあくまで概算であり、具体的な見積もりは各業者に依頼することが必要です。
それぞれの業者で使用する足場の種類や設置方法が異なるため、複数の業者から見積もりを取ることで、適正価格を見極めることができます。
施工代
アパートの外壁塗装費用の一部を占める重要な要素が施工代です。この施工代は、その名の通り塗装工事に直接かかる人件費や作業費などを指します。
施工代は、塗料の種類、塗装面積、塗装回数、下地処理の有無などによって大きく変動します。
例えば、高価な塗料を使用したり、大きな面積を塗装したり、多数の塗装回数が必要な場合や下地処理が必要な場合などは、当然ながら施工代も高くなります。
また、施工業者によっても施工代は大きく異なるという特徴があります。これは、各業者が保有する技術力や経営状況、作業効率等によって左右されるからです。
中には下請け企業に仕事を依頼する業者もありますが、この場合は中間マージンが発生するため、結果的に施工代が高くなるケースがあります。
そのため、施工代を抑えるためには、地元に密着した直接施工の業者を選ぶことがおすすめです。地元密着型の業者は中間マージンを抑えられるだけでなく、近隣への対応やアフターフォローも丁寧であることが多いです。
しかし、施工代だけを見て業者を選んではいけません。安すぎる施工代は、技術力が低い、または適切な作業が行われていない可能性を示していることもあります。
外壁塗装は建物を守る大切な役割を果たすため、施工の品質を重視した上で、適正な施工代の業者を選ぶことが大切です。
アパートの外壁塗装見積もりのポイント
アパートの外壁塗装は大きな費用がかかるため、事前の計画と予算管理が重要となります。そのためには、見積もりをしっかりと取ることが求められます。
見積もりを取ることで、使用する塗料や施工業者が適切かどうか、また不必要な工程や費用が含まれていないかなどを比較検討することが可能となります。
ただし、見積もりを取るだけではなく、どのようなポイントで比較検討すべきかを理解することが重要です。
そのポイントには、複数の施工業者から見積もりを取ること、安易に一番安い施工業者を選ばないこと、見積書の内容を詳しく確認すること、施工実績や口コミをチェックすることなどがあります。
それぞれのポイントについて、詳しく解説していきましょう。
複数の施工業者から見積もりを取る
アパートの外壁塗装を行う際、最も重要なことの一つは複数の施工業者から見積もりを取ることです。
同じ仕事でも、施工業者によって費用や施工方法は異なります。見積もりを比較することで、自分の予算に合った施工業者を選ぶことが可能となります。
多くの施工業者は無料で見積もりを提供しています。しかし、中には有料である業者も存在するため、必ず事前に確認してください。
見積書は、施工業者がどのような工程を経て外壁塗装を行うのか、その詳細と費用を確認するための重要な資料です。
そのため、見積書には作業内容、使用する材料、それぞれの費用等が明細化されていることが必要です。
また、特別な仕様がある場合はそれが明記されているかどうかも確認しましょう。
外壁塗装は現地の状況によって費用や施工方法が変わることがあります。そのため、現地調査を行ってくれる施工業者を選ぶことが望ましいです。
また、打ち合わせを通じて施工業者との信頼関係を築くことも重要です。
さらに、見積もりには有効期限が設けられていることが多いです。
期限内に返答をしないと見積もりが無効になることもありますので、注意が必要です。また、キャンセル料についても確認しておくと安心です。
これらの点を踏まえて、複数の施工業者から見積もりを取ることを心がけましょう。
安易に一番安い施工業者を選ばない
アパートの外壁塗装を行う際、見積もりを取った施工業者の中から最も安い業者を選んでしまうのかもしれません。
しかし、安易に一番安い業者を選んだ結果、施工品質が低下したり、後で追加料金が発生したりすることは少なくありません。
一番安い業者は、コストを抑えるために低品質の塗料を使用することがあります。
これは、見た目には分かりづらいものの、塗料の耐久性や仕上がりの美しさ、建物への保護性能に大きな影響を与えます。
また、安い業者では、適切な足場の設置や解体を怠ることでコストを下げる場合があります。これは作業員の安全を危険にさらすだけでなく、不十分な足場から施工ミスが生じる可能性もあります。外壁塗装における足場は安全に作業を進めるための重要な要素です。
さらに、塗装前の下地処理やコーキング処理などの工程を省略するようなこともあります。
塗装前の下地処理は塗装の品質を大きく左右します。コーキング処理により隙間を埋めることで水漏れを防ぎ、塗装の密着性を高めます。
コストが抑えられるとしても、後々の劣化や修繕コストが増大する可能性があります。
極端に安い見積もりは、施工業者が自身の手間賃や利益を十分に見込んでいない可能性を示しています。
これは、業者のモチベーション低下や作業の手抜き、中途での工事中止などのリスクをはらんでいます。
以上の点から、アパートの外壁塗装を行う際には、単に費用の安さだけでなく、施工業者の評判や過去の施工実績、使用する材料の品質など、多角的に業者を評価することが重要です。
見積書の内容を詳しく確認する
アパートの外壁塗装の見積もりを取る際には、見積書の内容を詳細に確認することが重要です。
見積書には、アパートの外壁塗装の各工程とそれにかかる費用が詳細に記載されているはずです。
これにより、全体の費用構成や工事の進行を把握し、必要な費用を予測することが可能となります。
以下の項目が見積書に含まれていることを確認しましょう。
①塗料の種類やグレード、色、塗装回数
使用する塗料の種類やグレード、色により費用が変動します。また、塗装回数により工程が増えるため、その影響も考慮する必要があります。
②足場の設置や解体、飛散防止ネットの有無
足場は作業の安全性を確保するために必要な工程であり、その設置や解体、飛散防止ネットの設置にかかる費用も含まれるべきです。
③下地処理やコーキング処理の有無
塗装前の下地処理やコーキング処理も塗装作業の一部であり、見積もりに含まれるべきです。
④施工期間や保証期間
作業にかかる期間と、施工後の保証期間も明記されていることが望ましいです。
⑤支払方法や支払時期
費用の支払い方法や時期も記載されていることが重要です。この情報により、予算計画を立てることができます。
見積書に記載されていない項目や不明な点は、施工業者に直接問い合わせて確認しましょう。
例えば、「どの程度の期間で塗装作業は完了するのか?」「保証期間中に問題が生じた場合の対応は?」といった疑問点を解消することで、より納得のいく塗装工事を行うことができます。
施工実績や口コミをチェックする
アパートの外壁塗装業者を選ぶ際、その施工実績や口コミをチェックすることは非常に重要です。
これらの情報は、業者の技術力やサービスの品質、対応の良さなどを判断するための重要な基準となります。
施工実績は業者の経験とスキルを示すものです。
業者の公式サイトやパンフレットなどで具体的な施工例を確認し、それが自身の求める品質やレベルに適しているかを評価します。
また、特にアパートなどの大規模な物件に対する経験があるかも重要なポイントです。
口コミは、過去の顧客からの直接的なフィードバックです。
口コミサイトやSNSなどで業者の評価をチェックし、品質、コストパフォーマンス、対応の速さや丁寧さなどについての評判を確認します。
ただし、全ての口コミが真実を反映しているわけではないため、情報源を複数比較し、一方的な評価に偏らないよう注意が必要です。
施工実績や口コミの情報を元に、自身のニーズに最も合った業者を選ぶことが求められます。
一見費用が高くても、良質なサービスと長期的な保証を提供する業者を選ぶことは、アパートの価値を保つ上で賢明な選択となることでしょう。
アパートの外壁塗装で入居率アップに繋げるために
アパート経営において、外壁塗装は大きな費用を伴うメンテナンスの一つです。しかし、これは単なる費用負担だけではなく、同時に大きな投資でもあります。
外壁塗装によってアパートの外観が美しくなると、入居者の印象や満足度が向上し、それが結果的に入居率のアップにつながるからです。
この章では、アパートの外壁塗装がどのように入居率の向上に繋がるのか、その効果とメリットについて詳しく解説していきます。
入居者層に合わせた色やデザイン
アパートの外壁塗装における色やデザインは、アパートのイメージや雰囲気を決定づける重要な要素です。
単に大家さんやオーナーの好みだけで選ぶのではなく、入居者の好みやニーズにも配慮する必要があります。
まず、アパートの入居者層を考えることから始めましょう。年齢、性別、職業など、アパートの入居者の属性はさまざまです。
例えば、若い世代や学生をターゲットにしたアパートなら、モダンで明るい色使いやデザインが好まれるかもしれません。
ファミリー層や高齢者をターゲットにしたアパートなら、落ち着いた色合いや、温かみのある自然素材風のデザインが求められるでしょう。
また、入居者がアパートに求める条件や特徴も重要な要素です。
アパートに住む動機や目的、求める生活スタイルなどは、塗料の色やデザイン選びに反映されるべき情報です。
例えば、静かで落ち着いた生活を求める入居者には、淡い色調や素朴なデザインが適しているかもしれません。
これらの要素を組み合わせて、入居者層に合わせた色やデザインを選ぶことが重要です。そしてそれが、アパートの魅力を高め、入居率を上げる一助となるのです。
引っ越しの繁忙期の前には塗装を完了する
引っ越しの繁忙期とは、特に新生活が始まる春季の3月から4月、そして秋季の9月から10月のことを指します。
この時期は、新学期や新たな職場への転職などが重なり、入居者の入れ替わりが多くなります。
一方で、その入れ替わりに伴って一時的に空室率が高くなる傾向もあります。
外壁塗装をこの時期に行うと、工事による騒音や外観の美観の損ないにより、さらに空室率が上昇するリスクがあります。
そこで、アパートの外壁塗装は引っ越しの閑散期に当たる5月から8月や11月から2月に計画することが理想的です。
この時期は引っ越しの需要が比較的少ないため、入居者への影響も少なく、また空室が増えるリスクも低くなります。
加えて、繁忙期にはアパートが新しく塗装されて美観が向上した状態で入居者を迎えることができます。
これにより、新たな入居者への良い印象を与えることができ、入居率の向上に寄与することが期待できます。
また、塗装工事を早めに計画することで、施工業者との打ち合わせも十分に行うことができます。
予算の調整や、塗料の色やデザインの選定など、細部に渡って計画を立てることが可能となります。
このように、引っ越しの繁忙期の前に塗装を完了することで、スムーズかつ効果的なアパートの外壁塗装を行うことができます。
入居者に対する告知や配慮を徹底する
アパートの外壁塗装は、その規模と性質上、現在の入居者に対して一定の影響を及ぼす作業です。
そのため、施工をスムーズに進行させ、入居者との良好な関係を維持するためには、適切な告知と配慮が必須となります。
まず施工前には、外壁塗装の目的や内容、期間や時間帯などを入居者に事前に通知することが重要です。
これにより、入居者は工事の予定を理解し、それに合わせて自身の生活を調整することが可能となり、入居者の安心感や信頼感を向上させる効果もあります。
次に、施工中には足場やネットの設置や解体、塗装作業の音や臭いなどについて、あらかじめ入居者に謝罪と理解を求めることが必要です。
工事の騒音や臭いは避けられない部分もありますが、事前に説明と謝罪を行うことで、入居者の不快感を最小限に抑えることができます。
最後に、施工後には外壁塗装の完成報告と感謝の気持ちを伝えることが大切です。
これにより、入居者に対する尊重と感謝の気持ちを示すことができ、良好な関係を維持・強化することができます。
これらの配慮は、入居者の満足度と信頼性を保つだけでなく、アパート全体の評価を高め、結果的に入居率の向上にも寄与します。
したがって、これらの配慮を怠らないことが、外壁塗装による入居率アップを成功させるための重要な要素となります。
まとめ
アパートの外壁塗装は、大きな投資ではありますが、施工によってアパートの外観が美しくなり、入居者の満足度が向上する可能性があります。
その結果、アパートの入居率向上に貢献することが期待できます。
外壁塗装費用の費用は塗料代、足場代、施工代、そして施工業者の利益によって構成されます。それぞれの要素は、使用する塗料の種類や施工業者によって大きく変動します。
外壁塗装の見積もりを取る際には、複数の施工業者から見積もりを取ることが重要です。しかし、単純に一番安い施工業者を選ぶのではなく、品質や信頼性も考慮に入れるべきです。
さらに、アパートの外壁塗装を行う際には、入居者層に合わせた色やデザインを選択すること、引っ越しの繁忙期の前に塗装を完了すること、そして入居者に対する告知や配慮を徹底することが重要です。
これら全てを踏まえることで、アパートの外壁塗装は単なる維持費用ではなく、投資としての価値を高め、アパート経営を成功に導く重要な要素となります。
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