マンションの維持管理は非常に重要な取り組みであり、その中でも防水工事は特に重要な位置を占めています。
防水工事の中でも『シート防水』は、その効果的な防水性能とコストパフォーマンスから多くのマンションで採用されています。
今回は、シート防水に関する基本的な知識を深め、その特徴や施工方法、劣化症状、種類、メリット・デメリットについて、三重県津市・松阪市・名張市のアパート・マンション大規模修繕専門店が詳しくお伝えしていきます。
この記事を通じて、マンションオーナーや管理組合の方々がシート防水に関する理解を深め、適切な防水工事を行う上での参考にしていただければ幸いです。
シート防水とは～その特徴や施工方法、劣化症状について
シート防水は、マンションの防水工事において数多くみられる工法です。
どのような特徴を持ち、どのような施工方法があるのか。また、時間が経過して劣化してしまった場合、どのような症状が現れるのか理解することで、シート防水工事の計画やメンテナンスがより適切に行えるようになります。
そこでここでは、シート防水の基本的な特徴から施工方法、そして劣化時に見られる症状について詳しく解説していきます。
特徴
シート防水は、他の防水工法に比べて多くの優れた側面を持っています。
まず基本となる素材ですが、シート防水には主に『塩ビ（塩化ビニル樹脂）シート』と『ゴムシート』の2種類があります。
それぞれの素材は異なる特性を持っており、用途によって最適なものが選ばれます。
また、施工法においては『接着工法』と『機械的固定工法』の2つの方法が主に用いられます。
接着工法はシートを下地に接着剤で固定する方法で、均一な仕上がりが得られるのが特徴です。一方で、機械的固定工法はシートを機械的に固定する方法で、下地の状態や用途によってはこちらの方法が適している場合もあります。
このように、シート防水はその材料や施工法の選定によって、さまざまな状況に対応可能な非常に柔軟な防水工法と言えます。
これらの特徴を理解することで、より適切なシート防水工事が行えるようになります。
施工方法
施工法においては基本的に『接着工法』と『機械的固定工法』の2つに分けられます。それぞれの工法には特徴があり、用途によって選定されます。
『接着工法』は、下地やシートの裏面に接着剤を塗り、それを貼り付けることによって固定する工法です。
この方法は均一な仕上がりが得られるのが特徴であり、機械的固定方法よりも耐久性があるため、屋上に人の出入りがあるような場合におすすめの工法となります。
接着工法は手間がかかるものの、その分長持ちするというメリットがあります。
『機械的固定工法』は、シートを機械的に固定する方法となります。
この工法は下地に直接固定するのではなく、緩衝材を介したうえで鋼板やビスで防水層を機械的に固定する特徴があります。
そのため、下地処理にかかるコストを削減することができる利点があります。ただし、人の出入りがある屋上には不向きとされています。
劣化症状
シート防水の劣化症状について理解することは、適切なメンテナンスを行い、長期間にわたってその効果を維持する上で非常に重要です。
まず、シート防水材料として主に用いられる『ゴムシート』と『塩ビ（塩化ビニル樹脂）シート』にはそれぞれ異なる耐久性があります。
具体的には、塩ビシートの方がゴムシートよりも耐久性が高く、寿命が長いとされています。
それぞれの耐用年数は、ゴムシートで10年〜15年程度、塩ビシートであれば10年〜20年程度とされています。
しかし、耐久性が高いからと言って永久にメンテナンスが不要というわけではありません。
定期的なメンテナンスは必要不可欠であり、特にマンションの陸屋根は太陽の熱や紫外線、風雨といった直接的な影響を受けるため、劣化は避けられません。
ゴムシートは熱や温度変化には強いものの、紫外線に弱い傾向があります。
そのため、表面にトップコートを塗布して保護していても、時間とともに劣化や損傷が生じ、雨漏りや内部の腐食の原因となる可能性があります。
塩ビシートは経年によって素材に含まれる可塑剤が劣化し、ひび割れなどの症状が現れるようになります。これもまた、雨漏りや内部の腐食の原因となります。
シート防水の種類と費用相場
シート防水工事において、最も重要な選定ポイントとなるのがシートの種類です。シートの種類によって、その特性や耐久性、そしてコストが大きく異なります。
シート防水には『塩ビ（塩化ビニル樹脂）シート』と『ゴムシート』の2種類があり、それぞれのシートには独自の特性があります。
これらの特性を理解することで、マンションの状態や用途に最適なシートを選定することが可能となります。
ここでは、シート防水の主な種類とそれぞれの特徴について詳しく解説していきます。
塩ビ（塩化ビニル樹脂）シート
現在のシート防水工事において主流となっているのが、塩ビ（塩化ビニル樹脂）シートです。
塩ビシートが主流になっている背景には、その耐久性やコストパフォーマンスの良さが挙げられます。厚さは1.5〜2.5mm程度となっており、この厚さが十分な防水性を保証しています。
耐用年数に関しては、10年〜20年と長期間にわたってその効果を発揮します。マンションの管理組合やオーナーにとっても安心感をもたらすポイントとなります。
工期に関しては、1〜4日程度と比較的短期間での施工が可能です。住民への影響を最小限に抑えることができる利点となっています。
費用相場については、約3,500〜7,500円/㎡となっています。
ゴムシート
シート防水工事の材料として、かつてはゴムシートが主流でした。
ゴムシートは低価格であり、耐久性にも優れているため、長らく多くの施工現場で利用されてきました。
しかし、鳥や飛来物の影響で破れるリスクが高いというデメリットがあり、現在では塩ビシートが主流となっています。
ゴムシートの厚さは1.2〜2.0mm程度となっており、耐用年数は10年〜15年とされており、これは塩ビシートに比べるとやや短めの耐用年数となります。
工期に関しては、塩ビシートと同様に1〜4日程度となっています。
費用相場は約2,500〜6,500円/㎡となっており、この価格帯であれば比較的リーズナブルな防水工事が可能となります。
シート防水のメリット・デメリット
シート防水工事を選定する際には、そのメリットとデメリットを十分に理解した上で判断を行うことが重要です。
ここでは、シート防水のメリットとデメリットについて詳しく解説していきます。
メリット
一つ目のメリットとして、「下地を選ばず施工可能」である点が挙げられます。
シート防水は、さまざまな下地に対応可能であり、多くの下地素材の上に施工することができます。施工の幅が広がり、多くの場所で利用することが可能となります。
次に、「耐久性に優れている」点も大きなメリットとなります。
特に塩ビシートは耐久年数が長く、長期間にわたってその効果を保持することができます。長期間の安心を提供することが可能となります。
最後に、「広い面積を一度に施工できるので工期が短い」という点も重要なメリットです。
シート防水は、シート状の材料を用いるため、広い面積を短期間で施工することが可能です。これにより、工期の短縮が図れ、施工コストの削減が可能です。
デメリット
一つ目のデメリットとして、「複雑な施工箇所には不向きである」点が挙げられます。
シート防水は基本的に平面的な部分に適しており、複雑な形状の部分や多くの突起物がある場所には施工が困難となります。
これにより、施工箇所の選定に制限が生じることがあります。
次に、「機械的固定工法では工事中に振動音が発生する」という点もデメリットとして挙げられます。
周囲の環境への騒音となってしまうため、施工時間や方法を慎重に選定する必要があります。
最後に、「ウレタン防水と比較すると工事費用が高くなりがち」という点もデメリットとして指摘されています。
まとめ
シート防水工事は、マンションの防水対策として非常に有効な方法として知られています。
この記事では、シート防水の基本的な知識から、その種類、メリットとデメリットなどについて詳しく解説してきました。
マンションの防水工事を検討している場合であれば、地元に根付いて営業活動している大規模修繕専門店に相談しながら決めていくようにしましょう。
疑問や質問などございましたら、『株式会社リペイント匠 大規模修繕事業部（TEL0120-770-760 営業時間8：00～20：00）』までお気軽にお問合せしてください。
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