築50年のマンションにおいて、大規模修繕工事の内容や工事費用について知りたいという方は多いのではないでしょうか。
築10年から30年程度のマンションと比較すると、劣化や損傷箇所も多くなってきますので、それだけ修繕費用も高くなってしまうことが予想されます。
そのため、修繕積立金や修繕のために蓄えておいた資金が足りなくなってしまうことも懸念されます。
さらに言えば、老朽化が進んでいて、大規模修繕を行うべきか、建て替えするべきかお悩みの方も少なくないと思います。
今度、築50年超のマンションは増加傾向にありますから、ぜひ記事をじっくりとご覧になって、今後の修繕方針について考える機会になればと考えております。
そこでここでは、築50年のマンション大規模修繕工事について、さまざまな角度から、三重県津市・亀山市・鈴鹿市・四日市市・松阪市・名張市のアパート・アパート・マンション修繕専門店が詳しくお伝えしていきます。
築50年のマンションが増加中!修繕工事の問題点
築50年のマンションが増えており、約20年後には全国で250万戸程度にまで達すると考えられています。
1950年代から高度経済成長に突入し、1960年~1970年代に建てられたマンションが、50年を超える時期を迎えているからです。
マンションの耐用年数は100年以上とも言われていますが、それは適切な修繕に取り組んでいるから維持できるものです。
そのため、状況によっては、50年を超えたあたりで建て替えが必要になるケースや、修繕に多額の費用が必要になり、修繕費用が不足してしまうケースも起きています。
築50年超のマンションが増えている
国土交通省のデータによりますと、2021年において築30年以上の分譲マンションの戸数は249.1万個あり、そのうち50年超においては21.1万個であると公表しています。(国土交通省:築後30、40,50年以上の分譲マンション戸数より)
しかし、これが2026年末になると、築50年以上のマンションは60.4万戸になり、さらに2031年末には115.6万戸、2041年末には249.1万戸になると予想されています。
わずか5年~20年の間に、これほど増加する訳ですから、もはや他人事では済まされない問題であると言えるのではないでしょうか。
もちろん、築30年、40年を迎えるマンションはさらに増加する傾向にありますから、今後どのように対応すべきか、検討しておくことが重要になります。
建物自体の耐用年数を迎えるケースが
築年数が50年超である場合、大規模修繕工事では修繕しきれない状態で、すでに耐用年数を迎えているというケースもあります。
もちろん、それまでに必要な修繕を適切に行っている場合には、100年が経過しても維持できるとも言われています。
ただ、逆を言えば、適切な時期に適切なメンテナンスに取り組んでいないと、早々に建て替えを検討しなければならないケースがあるのです。
例えば、外壁塗装ひとつを取ってみると、塗装によって外観が綺麗になると、入居者の満足度がアップし、入居率が高まることから資産価値が向上します。
美観だけの問題ではなく、塗料には防水性や防汚性、親水性などさまざまな機能を有していることから、マンションそのものを守ることにも繋がっています。
また、その他の工事においても、美観だけを目的にしているのではなく、建物の耐久性を維持向上させるために、とても重要なものばかりなのです。
そのため、適切なタイミングに適切な修繕を行うのが、マンションを50年、100年と維持するために、とても重要な意味を持つものになるということです。
修繕積立金が不足する可能性も
50年超の分譲マンションの場合、入居者から修繕積立金を毎月徴収しているとしても、実際の修繕工事では修繕箇所が多くなってしまい、資金が不足してしまうというケースが珍しくありません。
また、賃貸マンションの場合には、そもそも修繕積立金を徴収しておらず、毎月の家賃から積み立てしているとしても、思うように費用が賄えないという可能性も見られています。
なぜ資金が足りない状態になってしまうのかというと、修繕計画の見通しの甘さをみられるケースが少なくありません。
順番に必要箇所を修繕しているように感じても、中には予想よりも早く修繕が必要なケースもありますし、必要以上に修繕しなければならない事態に陥るケースもあります。
そのため、計画は定期的に見直す必要があり、また計画を立案する際には、専門家の意見も踏まえながら進めていくことが重要になります。
築50年のマンション大規模修繕工事の内容
では、実際に築50年超のマンション大規模修繕工事では、どのような内容のメンテナンスが行われているのでしょうか。
国土交通省が公表している『令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査』においては、1回目から3回目の内容について紹介されています。
3回目の大規模修繕工事は、『築41年以上』であるケースが半数を占めていると公表されており、1回目・2回目とおおむね15年程度の頻度で施工されていることもあり、ここでは『3回目』『4回目以上』『築41年以上』のケースを中心に取り上げてみたいと思います。
マンション大規模修繕工事の回数と築年数の関係
マンションの大規模修繕工事は、1回目でもっとも多い築年数が『15年以下』となっており、2回目では『25年~30年』、3回目以上では『41年以上』となっています。
3回目をもう少し踏み込んでみてみると、『41年以上』の割合が46.5%と約半数弱となっており、中央値は『40年』となっています。
『4回目以上』となると、修繕周期を『12年から15年』と答えている割合が68.5%となっているため、築50年超のマンションの場合、大規模修繕工事の回数は3回から4回の割合が多くなると考えられます。
マンション大規模修繕工事の内容
- 外壁塗装
- 床防水
- 屋根防水
- 鉄部塗装
- シーリング工事
- 外壁タイル
- 建具・金物
3回目以上のマンション大規模修繕工事で取り組まれる工事内容に多いものは、上記の通りとなっています。
その中でも、特に費用の割合が大きい工事内容は、
- 外壁塗装
- 床防水
- 屋根防水
となっており、これらだけで修繕工事の費用の6割程度を占めていることが分かります。
外壁塗装は、1回目、2回目の工事においても高い割合を占めているもので、建物を守るもっとも基本的なメンテナンス方法であると言えるでしょう。
マンション自体の美観を取り戻すという目的はもちろんですが、外壁に剥がれやひび割れ、欠けなどが生じますので、外壁材そのものを守るためでもあります。
マンションの外壁材は、外壁タイルが活用されているケースが多くなっていますが、外壁タイルが剥がれ落ちてしまう事故も起きています。
そのため、外壁塗装と共に、外壁の修繕にも取り組む必要があるのです。
また、床防水や屋根防水といった、防水工事は雨水から建物を守るために、とても重要な工事であると言えます。
防水工事は、屋根をはじめとしてベランダやバルコニー、屋上などで施工されますが、劣化が生じると室内に雨水が侵入してしまうようになります。
防水工事では、屋根に防水性の高い塗料を塗布することや、屋上やベランダなどに防水層を形成するために防水シートを設置する工事が行われます。
雨水が建物内部に侵入するようになると、たちまち建物の耐久性が衰えてしまうようになることから、外壁塗装と共にとても重要な工事であると言えるでしょう。
築50年のマンション大規模修繕工事の費用相場
国土交通省のデータによりますと、3回目以上の大規模修繕工事の費用は、『6000万円~8000万円』『10000万円~15000万円』がもっとも多く、共に16.9%となっています。
ただし、マンションの規模によって費用は大きく異なることになります。
戸あたり工事金額として75万円~100万円の割合がもっとも多く28.4%、次いで100万円~125万円が21.8%になっています。
ただし、この費用には仮設費用と呼ばれる足場の設置費用が含まれておらず、費用は工事費用の2割程度になると言われていることから、工事費用が戸あたり100万円だとすると仮設費用は15万円~20万円程度と考えられます。
相場として、工事費用が戸あたりで100万円前後、仮設費用として15万円程度が必要になると考えておくといいでしょう。
ただし、冒頭からもお伝えしている通り、ここでご紹介するのは3回目や4回目の大規模修繕での費用ですので、適切に修繕していないケースではさらに高くなってしまう可能性が考えられます。
築50年のマンション修繕工事の注意点
築50年超のマンションでの大規模修繕工事では、修繕工事の内容はかなり大規模なものになる可能性があります。
場合によっては、修繕では賄いきれず、建て替えを検討しなければならないケースもあります。
ただ、修繕の取り組み方によっては、50年を超えても小規模な修繕で済ますこともでき、費用を抑えられる可能性もあります。
大規模修繕か建て替えか
マンションが新築から50年以上経過する場合、
- 定期的な大規模修繕で問題が改善できるのか
- 修繕箇所は膨大にならないのか
- 修繕積立金は不足していないか
などといった視点で捉える必要があります。
大規模修繕に取り組む場合には、修繕によって問題が解決し、入居者の満足度に繋がり、資産価値を維持向上させるものでなければなりません。
さらに、定期的な大規模修繕に取り組んできて建物の維持に努め、入居者が多く、今後も安定して修繕積立金を積み立てていけるような状況が必要であると考えられます。
そのため、損傷している箇所がとても多く、また修繕してもマンションに存在する問題を解消できないのであれば、建て替えを検討する必要性が生じます。
大規模修繕がかなりの広範囲で取り組まれることになるならば、修繕積立金が不足してしまうことも考えられるからです。
修繕積立金や入居率などとの兼ね合いもあることから、近隣のマンションなど外部要因なども踏まえて検討しておくことが大切です。
定期的な建物調査
建て替えとなると、大きな費用が必要になり、また近隣にマンションが乱立しているような場合には、建て替えしても入居率アップに繋がらない可能性もあります。
そのため、現在の建物を維持し、少ない費用で効率的に修繕することがとても重要になります。
特に築50年を超えているマンションの場合、定期的に建物調査を徹底して行い、修繕箇所を細かく調査しておくことが大切でしょう。
不具合を見つけないままそのまま放置していると、損傷して修繕に大きな費用が必要になってしまいます。
場合によっては、致命的な損傷になってしまう可能性もあることから、建物調査はしっかりと行っておくことが大切です。
計画的な修繕
大規模修繕工事はもちろんのこと、定期的に小さな修繕を行っておくことも大切です。
例えば、清掃を小まめに行っておけば、防水機能を長く維持できますし、外階段の塗装を3年や5年の頻度で行っておけば、錆びずに修繕できるため、大がかりな取り換えの必要性がなくなります。
このような小さな取り組みでも、劣化や損傷、腐食など大きな修繕の必要性を下げ、大規模修繕工事の費用を抑える効果もあるのです。
まとめ
築50年超のマンションの修繕について、大規模修繕工事の問題点や修繕内容、費用相場、注意点などについて、詳しくご紹介しました。
高度経済成長期のマンションは、どんどん築50年が経過し、これからもさらに増えていくことが指摘されています。
これまで小まめに修繕工事に取り組んできたマンションであれば、修繕費用を抑えることが可能で、築50年が経過しても問題なく居住が可能です。
ただし、適切な時期に適切な修繕をしていないと、大規模修繕工事において修繕箇所が膨大になり、修繕では賄いきれないような状況になってしまう可能性もあります。
そのようなことから、普段から劣化状態には意識しておくようにし、定期的に専門業者に相談し、点検してもらうようにするといいでしょう。
マンションの修繕や大規模修繕工事についてお悩みであれば、地元に根付いて営業活動している大規模修繕専門店に相談しながら決めていくようにしましょう。
疑問や質問などございましたら、『株式会社リペイント匠 大規模修繕事業部(TEL0120-770-760 営業時間8:00~20:00)』までお気軽にお問合せしてください。
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