マンションの外壁タイルは、経年によって劣化しますので、美観の維持や安全性の確保のために張り替えや補修が必要となります。
劣化や損傷が生じると、大きく美観を損なうことになりますので、入居率にも大きな影響を及ぼすようになります。
一見すると問題がないように感じるかも知れませんが、損傷するとひび割れが生じることがあり、また剥がれ落ちてしまうような危険性もあります。
そのようなことから、一定の頻度で全面点検が義務付けされており、そのタイミングで張り替えや補修されるケースが多くなっています。
そこでここでは、マンションの外壁タイルの張り替えや補修について、三重県津市・松阪市・鈴鹿市・亀山市・名張市・いなべ市のアパート・マンション大規模修繕専門店が詳しくお伝えしていきます。
マンションの外壁タイルの修繕について~目的や点検の必要性、点検の方法
マンションの外壁タイルは、とても耐久性の高い建材が活用されていますが、それでも定期的に修繕しておかないと、劣化や損傷してしまいます。
特に、外壁から外壁タイルが剥落するというケースは珍しくなく、場合によっては事故に繋がりかねないことから、新築から10年が経過すれば外壁調査が義務付けられているのです。
ここでは、外壁タイルの修繕が必要な理由とともに、劣化症状や外壁調査の内容について、詳しくご紹介していきましょう。
外壁タイルの修繕の目的
- マンション外観の美観の維持
- 外壁タイルの剥落・落下の防止
マンションの外壁タイルは、耐久性がとても高く汚れにくい素材ではありますが、経年によって劣化し、汚れが目立つようになることや、ひび割れなどの損傷が見られることもあります。
そのような状態になってしまうと、マンション自体が古びた印象になってしまうため、美観を維持するためにも修繕が必要となります。
マンションは鉄筋コンクリートで造られており、その上から外壁タイルが貼り付けられて、外壁を構成しています。
コンクリートそのものは湿度や温度に影響を受けやすく、膨張や収縮を繰り返してしまいますが、その動きに外壁タイルが追随できず、損傷を起こしてしまうのです。
また、外壁タイルにひび割れなどの損傷が見られるようになると、その箇所から雨水が侵入するなどの理由によって剥がれやすくなってしまいます。
ひび割れなどの損傷がない場合でも、接着部分が剥がれてしまい、浮いた状態になることや剥落してしまうようなこともあるのです。
もし、高所の外壁タイルが剥がれて落下してしまうようなことが起きてしまうと、居住者や通行人に直撃してしまい、大事故を引き起こしてしまう可能性があります。
車両などに当たって、破損させてしまうことも考えられます。
そのようなことから、マンションの外壁タイルは、定期的に点検しておく必要があるのです。
外壁タイルの点検の必要性
建築基準法によって定期的な調査が必要であることから、新築や大規模修繕などから10年が経過する建物については、全面打診などによって調査する必要性があります。
外壁タイルの調査が必要な時期については以下の通りです。
- 部分的な打診や目視などの調査によって異常が見られた場合
- 新築から10年を超える場合
- 大規模修繕などでの外壁タイルの改修から10年を超える場合
- マンション外壁の全面打診調査から10年を超える場合
そもそも建築基準法では、手の届く範囲の打診調査や目視調査などによって異常があった場合だけに、精密調査が必要とされてきました。
ただ、外壁タイルの落下事故がたびたび報告される中で、国土交通省は2005年に『既存建築物における外壁タイル等落下防止対策について』を公表し、2008年に建築基準法が改正され、上記のような方針が打ち出されたのです。
外壁調査の対象となるのは、外壁タイルの他に、石貼りやラスモルタルの仕上げ材となっており、落下によって事故を引き起こす恐れのある部分は全て対象となっています。
外壁タイルの調査方法について
- 目視調査
- 打診調査
- 赤外線調査
外壁タイルの調査については、上記3種類の方法が活用されており、調査内容を記録して、必要に応じて修繕のために役立てられることになります。
目視調査とは、マンションの外壁タイルを目で注意深く確認し、ひび割れや欠け、欠損、浮き、剥がれなどの問題がないかどうかをチェックする調査方法です。
この調査によって、経年や地震などによる振動、施工不良などといった原因によって引き起こされる外壁の不具合を見つけ出すことができます。
打診調査とは、ハンマーなどの器具を用いて、外壁タイルに対して叩いたり転がしたりすることによって、音の違いを聞き分けて浮きや剥がれなどの症状を調査する方法です。
外壁タイルの浮きやはがれとは、下地に接着していない状態のことを指しており、実際に症状が生じているような箇所においては、打音によって確認することができます。
赤外線調査とは、熱画像赤外線カメラ(赤外線サーモグラフィー)を活用して調査する方法で、外壁表面の温度の違いによって浮きや剥がれを確認することができます。
浮きや剥がれが生じている箇所には、空気層ができるために熱による上昇が大きいため、赤外線カメラによって調査することができるのです。
外壁タイルの張り替え工事の流れ
外壁タイルの張り替え工事が必要な劣化症状に『浮き』や『ひび割れ』『欠け』『剥がれ』といった症状があります。
上記でご説明した点検によって、これらの症状が見つかった場合には、張り替え工事によって修繕を行っていくことになります。
どのような工事なのか、施工の流れについてご紹介していきましょう。
①足場の設置・打診調査
マンションの外壁タイルの張替え工事は、高所での作業になるために、マンションを取り囲むようにして足場を設置します。
足場の設置が完了すると、打診調査によって浮きや剥がれなどといった劣化症状を確認していき、張り替えが必要な箇所をマーキングしていきます。
②劣化・損傷している外壁タイルの撤去
劣化や損傷が見られる古い外壁タイルを剥がして、新しい外壁タイルを張るために下地を整える必要があります。
外壁タイルの撤去は、目地の部分に電動カッターで切り込みを入れ、必要な部分だけ剥がしていくことになります。
撤去して下地があらわになると、残っているコンクリートやモルタルによって凸凹していますので、清掃やモルタルを塗って綺麗に整えていきます。
③外壁タイルの張り替え
下地が綺麗に整ったら、モルタルを塗った下地に対して、新しい外壁タイルの裏にもモルタルを塗って、張り付けていきます。
モルタルは下地を綺麗に整える目的だけではなく、外壁タイルを張り付けていくための接着剤の役割も担っています。
張り付けてはみ出したモルタルについては掻き出すようにし、周囲と比べて浮き上がっていないか、傾いていないか確認します。
④外壁タイルの目地の補修
外壁タイルの張り替え作業が終わったら、タイル同士の間にある目地に対して、モルタルやシーリングを充填します。
外壁タイルの目地の役割には、外壁内部に雨水が侵入しないよう防水性を高める目的と共に、クッション材としても充填されています。
外壁タイルが頑丈であるとしても目地に隙間があれば雨水が侵入してしまい、内部を腐食させてしまい建物を損傷してしまう可能性があります。
また、目地があるおかげで地震が起こった際の揺れや、さらには温度変化などによる膨張や収縮があっても追随できます。
外壁タイルの補修工事の流れ
既存の外壁タイルの劣化や損傷が軽微な場合には、その箇所に対して接着剤を注入する補修工事が行われます。
劣化や損傷が広範囲の場合には張り替えが必要になりますが、部分的な場合であれば、専用のドリルで穴を開けて接着剤を流し込んでいきます。
『エポキシ樹脂注入工法』と呼んでいますが、その流れについてご紹介していきましょう。
①足場の設置・打診調査
張り替え工事の流れと同じように、建物の周囲に足場を設置し、打診調査を行ったうえで補修が必要な箇所を確認していきます。
打診調査によって外壁タイルの浮きが確認できれば、マスキングテープなどを活用してマーキングしていきます。
②ドリルを活用して穿孔する
マーキングした箇所に対して、ドリルを活用して穴を開けていきます。
穴を開けたら、穴の中に残っているホコリを除去して、接着剤を流し込んでいけるように整えていきます。
③エポキシ樹脂の注入
準備ができたら、ドリルで開けた穴の中に、接着剤となるエポキシ樹脂を注入していきます。
注入時にはポンプで圧をかけながら、下地と外壁タイルの隙間に流し込んでいきます。
エポキシ樹脂を注入しすぎてしまうと外壁タイルが割れてしまう原因になってますので、注意しながら施工する必要があります。
④ステンレスピンの差し込み・パテ仕上げ
エポキシ樹脂の注入が完了すれば、『アンカーピン』と呼ばれるステンレスピンを挿入します。
挿入が完了すれば、その上からエポキシ樹脂などで、穴を埋め戻します。
マンションの外壁タイルの修繕での注意点について
マンションの外壁タイルの張り替えや補修において2つの注意点があり、事前にしっかりと理解したうえで、大規模修繕に取り組むことが大切になります。
いずれにおいても、修繕においてとても重要な内容となることから、経験豊富な大規模修繕専門店に相談し、進めていくようにしましょう。
修繕費の追加請求について
マンションの外壁タイルの修繕においては、見積もりでの費用から追加請求される可能性があります。
外壁タイルの修繕費用の見積もりは、おおよそで計算されているのですが、実際の請求においては修繕した数量や範囲によって決められることになります。
見積もりで計算したよりも修繕箇所が多くなった場合には、当然ながら請求費用の方が多くなってしまうのです。
実際に足を組んで打診調査をするまでは、修繕が必要な外壁タイルの数量や範囲が分かりませんから、このような状況となってしまうことがあるのです。
外壁タイルがすぐに準備できない場合が
外壁タイルの張り替えが必要である場合、基本的には同じものや、似たようなものが活用されることになります。
ただ、すでに廃盤となっている場合や、似たような外壁タイルがない場合には、特注で製造してもらわなければならないケースがあります。
そのような場合には、特徴にかかる時間が数ヶ月程度必要になる場合もありますので注意が必要です。
また、似たような外壁タイルを活用する場合、やはり全く同じにはなりませんから、違和感が生じる可能性があるため、事前に確認しておく必要があります。
まとめ
マンションの外壁タイルの張り替えや補修について、修繕の目的や点検の重要性、点検内容、施工の流れなどを踏まえ、詳しくご紹介しました。
外壁タイルは劣化や損傷が生じると、美観を損なうのはもちろんのこと、ひび割れや浮きが生じ、最悪の場合には剥がれ落ちてしまいます。
そのような状況になってしまうと、入居率に対しても影響を及ぼすようになりますので、早めに対処しておく必要があります。
さらに高所の外壁タイルが剥がれ落ちてしまった場合には、通行人や車両などに当たってしまい、事故や破損などを引き起こしてしまう可能性があります。
そのため定期的に打診や目視などの調査が義務付けられており、必要に応じて張り替えや補修をしなければならないのです。
新築や前回の修繕から10年を超える場合には、大規模修繕計画に外壁タイルの点検も加えておき、修繕に取り組むようにしておかねばなりません。
マンションの外壁タイルの修繕についてお悩みであれば、地元に根付いて営業活動している大規模修繕専門店に相談しながら、どのような対策を講じるか決めていくようにしましょう。
疑問や質問などございましたら、『株式会社リペイント匠 大規模修繕事業部(TEL0120-770-760 営業時間8:00~20:00)』までお気軽にお問合せしてください。
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